本能とは、複雑で学習を必要としない行動であり、種全体にわたって厳密にパターン化されている。練習や模倣の機会を経ることなく、完成された形で現れる。
典型的な例としては、特定の鳥の巣作り、クモの網を張る行動、一部の動物の移動経路などが挙げられる。これらの行動は非常に定型的で、特定の刺激によって引き起こされ、経験による変化を受けにくい。心理学における初期の本能理論は、人間の行動を多数の本能のリストで説明しようと試みたが、曖昧な定義と循環論法によって、最終的にはその試みは失敗に終わった。
現代の行動生物学は、本能的行動の概念を保持しつつ、それを進化論的・発生論的分析の中に組み込んでいる。かつて純粋な本能とされていた多くの行動は、現在では遺伝的素因と環境的要因の相互作用によって生じるものと理解されている。人間の行動には、古典的なタイプの固定的な本能はほとんど、あるいは全く見られず、むしろ、準備された学習と普遍的な動機が、幅広い文化的表現の中に現れている。
事前の学習なしに、ある行動が完全に形成され、種特有のものとして現れる場合、本能という用語は依然として当てはまる。
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